今回は、これまでのガザの起業家へ行ったフォローアップの状況について紹介します。

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2016年8月に初のビジネスコンテスト兼起業家支援イベントを開催して以来、私たちはコンテストの受賞者にフォローアップサポートを行ってきました。私たちは東京を拠点として活動しているため、基本的にはメールベースでガザの起業家たちとコミュニケーションをとって進捗を報告し合い、必要に応じてオンラインミーティングを行っています。

約1,2カ月に1回開催されるオンラインミーティングでは、ビジネスプランやファイナンシャルプランの見直しを含めた経営面でのサポートをはじめ、彼らの事業分野で活躍している日本企業をメンターとしてマッチングし、製品開発の段階で質を向上させるための技術的なアドバイスを行ったり、いつどのような形で資金的支援をすべきか念入りに話し合い計画を立てたりしています。

第1回目のフォローアップサポートが始まってからおよそ1年半が経ちましたが、日本から約10000キロ離れた、ガザというヒト・モノ・カネの自由が制限された場所にいる起業家を支援するのは、正直私たちの予想よりはるかに大変なことでした。簡単には彼らを訪問することも、日本に招聘することもできません。日本から物資の支援をしたくても、ガザの極めて不安定な情勢を考えると、無事彼らの元に届けられる保障もありません。例えば、Green Cakeの大量生産に向け購入を予定している大型機械や、Sketch Engineeringへメンター企業から贈呈されたモデル製品も、ガザにどのように搬入するかの点でとても苦労しています。そんな中、実現可能かどうかわからずとも、考えられる全ての選択肢を洗い出して関係者に話を聞き、より確率が高い方法を繰り返し精査しながら、少しでも計画を前に進めようとしてきました。

現在は、マジドがパレスチナ自治政府からGreen Cakeの特許と会社としての免許を取得したので、企業として正規のルートで中国から日本製の機械を輸入できるか試みています。Sketch Engineeringも、製品開発の参考にするはずだったモデル製品が搬入できない中、階段昇降用車椅子の安全性向上を目指して、自分たちで何度もデザインに必要な計算をし直し、変更を加え、やっとオリジナルから大幅に進歩した最終デザインが固まってきました。

物理的な距離とこうした多くの障害があるため、正直なところ、私たちのフォローアップサポートの状況も遅れが出ているのが現状です。ただ、どんなに政治状況が悪化して、支援がしづらい環境になったとしても、私たちも粘り強くガザのたくましい起業家たちに寄り添い、日本人として責任をもって、今後もガザのためのビジネスアイデアをカタチにする支援を続けていきたいと思います。

・Green Cakeのビジネスアイディアの詳細はこちら
・Sketch Engineeringのビジネスアイディアの詳細はこちら

※写真は2017年春に招聘事業で来日した時のマジド(左)とアマル(右)

ガザの起業家へのフォローアップの進捗報告